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赤坂ACTシアタープロデュース恒例 志の輔らくごに行ってきましたよ。 「現在落語論」を読んで立川志の輔さんを一度見てみたいという気持ちになり、 そのとき直近で行けそうな公演で、かつチケット買えたのがこれだった。 いわゆる普通の落語会とは違うっぽい?と思ったけど、まぁいっか、と。 【第一部】大忠臣蔵~仮名手本忠臣蔵のすべて 【第二部】落語 中村仲蔵 という構成で、前半は「仮名手本忠臣蔵」のあらすじ説明。 そして後半はこの「仮名手本忠臣蔵」の五段目に関わる内容の落語、 「中村仲蔵」を披露という構成。 チケット発券して座席見たら、ACTシアターの2階で、ぎょえー!見えるかな? と心配したけれど、案外大丈夫だった。でも隣のお姉さんは双眼鏡?オペラグラス? みたいなものを使っていて、確かに、前半の説明のところとか、落語とか、 表情見えた方がよかったかなと思わなくもない。準備しとけばよかったな。 第一部はどういうことするのかな?って思っていたのだけど。 スクリーン使いながら、人物名や、錦絵を表示させて 「仮名手本忠臣蔵」の大序から順番に説明をしていく。 私、日本史は好きなのだけど、そこに出てくる人間模様とか物語に 尋常じゃなく興味がなくて(だから歴史小説も大河も苦手) だからここの部分の説明は結構ついていくのが大変だった。 人物名を漢字できちんと表示してくれて、あとイメージを掴めるよう 錦絵を使ってくれて、かつそこに志の輔師匠の口頭での説明があるという ありとあらゆる感覚を使えるよう配慮してあったおかげで、ギリギリ くらいつけた…という印象。特に、名前を文字で表示してもらえたのが 個人的にはかなり有難かったな。あれがなかったら多分振り落とされていた。 それでもそもそもの人間関係に馴染みがなさ過ぎるものだから、 実のところ冒頭の、誰が誰を恨み、誰がどういう流れで誰を切ったのか っていうのは全然掴めてなかったのだけど…「赤穂事件」への前知識が なさ過ぎてだね…(赤穂事件って、現代においてはいろいろな舞台とか 作品として有名だとは思うのだけどいわゆるお勉強的な意での日本史の 世界ではあんまり重要な事件ではないという感覚。) 今復習していて気付いたのだけど、登場人物の役職の説明があると わかりやすかったのかもしれないなー。赤穂事件のWiki先生での説明はこんな感じ。 この事件は元禄14年(1701年)3月14日、浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が、 江戸城松之大廊下で、吉良上野介(きらこうずけのすけ)に斬りかかった事に 端を発する。斬りかかった理由は、浅野内匠頭によれば「この間の遺恨」が 原因との事だが、浅野のいう「遺恨」がどんなものであるのかは記録に 残されておらず、史実としては不明である。 浅野内匠頭が、仮名手本忠臣蔵では、塩冶判官(えんやはんがん:PDF)として 表現されている。この人は、大名なんだなぁ。播磨赤穂藩の第3代藩主。 吉良上野介は、仮名手本忠臣蔵では、高師直(こうのもろのお:PDF)として表現。 この人は、旗本(=徳川家直属の家臣)。 事件当時、江戸城では、幕府が朝廷の使者を接待している真っ最中だったので、 場所がらもわきまえずに刃傷に及んだ浅野に対し、第五代将軍徳川綱吉は激怒。 幕府は浅野内匠頭に即日切腹を言いつけ、浅野が藩主を務める播州赤穂浅野家は改易、 赤穂城も幕府に明け渡すよう命じた。 それに対し吉良は何のお咎めもなかった。当時の「喧嘩両成敗」の原則に従えば、 吉良にも何らか刑が下されるはずだが、吉良が斬りつけられた際に抜刀しなかったため この事件は「喧嘩」として扱われず、吉良には咎めがなかったのである。 で、一番混乱を生じたのが、桃井若狭之助(もものいわかさのすけ:PDF)の存在。 この人は史実だと、伊達左京亮村豊(だてさきょうのすけむらとよ)らしい。 赤穂事件のWikiには名前が出てこないけど、この人は外様大名なもよう。 伊予吉田藩第3代藩主。史実上はこの人は、浅野内匠頭が吉良上野介に 切り掛かったところの現場にいたという以上のことはないのかしらね? 仮名手本忠臣蔵では、この人がもとは高師直を斬りつけたい!って 言い出した→家老である加古川本蔵(かこがわほんぞう:PDF)が桃井家を 守りたい&でも桃井若狭之助は言ってもきかないから賄賂と刀への細工で その場を切り抜けようと取り計らう→結果として高師直の嫌みの矛先が 塩冶判官に向く→そのせいで塩冶判官が耐えられなくなって高師直を襲う ということだったみたい。やっとちょっとスッキリした……! しかし浅野のみ刑に処せられた事に浅野家家臣達は反発。 筆頭家老である大石内蔵助(おおいしくらのすけ)を中心に対応を協議した。 反発の意思を見せるため、籠城や切腹も検討されたが、まずは幕府の申しつけに従い、 素直に赤穂城を明け渡す事にした。この段階では浅野内匠頭の弟である浅野大学を 中心とした浅野家再興の道も残されており、籠城は得策でないと判断されたのである。 大石内蔵介(おおいしくらのすけ)が仮名手本忠臣蔵では、 大星由良之助(おおぼしゆらのすけ:PDF)で、 彼の主君が塩冶判官である、浅野内匠頭だったのか。 「塩冶判官」って名前が、なんか悪者っぽくて感じられて誤解していたかもな。 そして今回の落語の主場面である五段目に出てくる、早野勘平とおかるって、 確かにお芝居をドラマティックにするためには必要なんだろうけれど 大星由良之助が主君の敵を討つ…っていう展開の上では全然関係ないっていうか 枝葉の部分だったのだなぁというのが、やっと今わかる。 今回はさすがに落語の内容わからなかったら辛い、と思ってざざっと予習して いったので、落語の部分はとってもよくわかっていたのだけど、やっぱり 一度聞いただけでは仮名手本忠臣蔵の内容はざざっとしか理解できていなかったなー。 でも、例えば同じ史実を、講談や浪曲ではどう描いていて、歌舞伎や人形浄瑠璃で どう描いていて、で、落語だとどうなのか、みたいな壮大な話は、普通に 「お笑い」という枠の中で落語を楽しんでみていると、絶対に知り得ない話だったので そういう意味においてすごく勉強になった。やっぱり私はこういう歴史物語とか そこから派生したお話に、根本的には興味がないのだけど、一方でそういう自分の 人間的な浅さみたいなものにすごくコンプレックスはあって。そうは言っても 興味持とうと思って興味持てていれば苦労していないわけでどうしたものかと。 でも、同じテーマを、あるものではこう描き、あるものではこう描いているの ですよ…という切り口スタートであれば、もう少し興味が持てるかもしれないって 思った。伝統芸能が、日本の歴史の中でどういうふうに発展してきたのかっていう 枠組みの部分にも密接に関係してくるし。そういう話題はすごく好きだ。 伝統的な物語を、物語そのものとして楽しむ素養はなくても、 もう少し情報や知識を入口にしてスタートできれば、私にも普遍的な 人間の性(さが)を味わうことができるかもしれないじゃない? 第二部の落語の部分は、少し解説とか地の文みたいなものが入っていて、 それは志の輔師匠のそういう演出なのか、元来そういうものなのか 知り得ないけれど、少し慣れるまで不思議な感じがした。 もう少し会話だけで進むような噺が見たかったかも…と途中思ったりも したのだけど、でも後半、芝居を見た人たちが感想を口々に言い合う ところとか、「しくじったー」と思って家に帰ってからの奥さんとの会話とかを 聞いていたらそんな細かなことはどうでもよくなった。 ものすごく主人公の気持ちに肩入れしてしまって、途中、泣きそうな気持ちに。 私の涙腺どうなってるんだろう?と我ながら思ったけど、なんとなく他にも ぐすぐす言っている人たちがいる感じだったので、そういう場面だったのかな、 やはり。最後、上方行かず、ちゃんと師匠に褒めてもらえてよかったなぁと安堵。 ぐぐって引き込まれながら落語の部を見て、ああ、やっぱり今度はもう一度 あと少し表情の見やすい場所で、志の輔師匠の落語を見てみたいなーと思った。 行けそうなところの落語会、チケット探そうっと。
by nanana_nanana2
| 2016-05-29 22:48
| 外出の記録
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